キャリア官僚の仕事力
少し古い本だが、中野雅至さんの『キャリア官僚の仕事力』を読んだ。
官僚の仕事の内容や思考方法、仕事術が書かれている。
タイトルは「仕事力」だが、どちらかというと仕事の内容についての記述が多い。
それなりに踏み込んだ裏話もあって興味深く、また、分かりにくいと評判な霞が関文学がどのように生まれるかという記述も面白かった。
タイトルは「仕事力」だが、どちらかというと仕事の内容についての記述が多い。
それなりに踏み込んだ裏話もあって興味深く、また、分かりにくいと評判な霞が関文学がどのように生まれるかという記述も面白かった。
繰り返し登場する相場観の大切さについては概ね同意でき、 参考になった。
職場環境について、 怒鳴り声が飛び交うこともあるなどと書かれており、 熱心さを表すために書かれていると思われる部分もあるのだが、 怒鳴るという行為自体には必要性も合理性もないと思われるのため 少し違和感があった。
また、「受験勉強で培った力」を強調する場面が何度もあるのだが、 官僚に東京大学出身の方が多いのは事実であり、 官僚以外の職場との対比で特徴的な面として書かれているので仕方 がない面もあるのだが、 大学受験自体は18歳前後の頃の出来事なので、 あまりに強調されるのには違和感があった。
この本に限らず、 高学歴というと勉強だけをしてきたかのように語られることがある が、東京大学でもそれ以外の難関校でも、 勉強だけをしてきたという方はいないだろうから、あまり勉強や、 特に受験勉強を強調するのは違和感がある。
この本に限らず、
私自身は官僚と接する機会はそれほど多くはないが、 非常に優秀で仕事や勉強以外のスポーツなどもうまく、 コミュニケーション能力も高く、 人格も素晴らしい人もいると知っているので官僚自体には比較的い いイメージを持っており、ある種の憧れもある。
しかし、板挟みになることや、 地道にこなさなければならない仕事が多い反面、 プレゼンをしなければならない場面も多く、 様々な能力が要求されるため、 私にはとてもこなせないなと感じた。
何かと批判の対象となることが多いが、 日本をよくしようと日々努力されていて尊敬に値すると思う。
しかし、板挟みになることや、
何かと批判の対象となることが多いが、
中野さん自身は現在は官僚ではないが、日本の官僚のみなさんを応援したいと思う。