ゆるーく法律するブログ

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成功したければ日本型エリート思考

山口真由さんの『成功したければ日本型エリート思考』を読んだ。

山口真由さんは、当ブログで何度も紹介しているように、東大法学部を首席で卒業され、財務省に入所された後、現在は弁護士として活躍されている女性だ。

 

最初に、まえがきで欧米の国で流行ったビジネスやスキルアップ術が紹介されている本が書店に並んでいることに関し、違和感があると述べられている。
このようなものは山口さんが出会ってきたエリートが持っていた価値観とは大きく異なるそうだ。
思えばこの本で紹介されている日本型ともいうべき方法論の記載された本は目につきにくく、私自身も欧米で流行ったビジネス等について書かれた本を読むことが多かったためこの記述を読んではっとさせられた。
そしてこの本で紹介されている方法論のほうが、確かに日本の社会でやっていくには合うと思うところも多かった。
あまり「古き良き日本」に固執したくはないが、良いところは評価し残すべきだろう。
 
分かってはいるものの、
ビジネス英語やアメリカ式の思考法を学んだところで、成功者になれるわけではありません。
という言葉が刺さった。
また、経営者マインドが必要となる人は割合からすると圧倒的に少ないのだから、今の仕事の中で自分に必要なスキルを身に着けるべきという指摘もあり、傾聴に値すると感じた。
もちろん趣味等で読むのはかまわないだろうが…。
 
どんな人の面子も潰さない
というのは本当に見習いたいところだ。
私自身、上司等に何かを伝えるとき、上司等の面子よりも原因解明や再発防止のほうが大事だと思い、はっきりものを言い過ぎてしまうことがあるので気をつけたいと思った。
 
いろいろと刺さる記述があったのだが、本書で記載されている内容は山口さんに対する私の勝手なイメージとは違ったところも多い。
もっと何に対しても合理性や効率性を重視される方だと思っていたが、うまく使い分けておられる印象を受けた。
 
amazonのレビューでも書かれている通り、日本の組織の特質をよく捉え、考察されているので、日本の組織で働く方や日本的な働き方について知りたい方には一読の価値があると思う。
山口さんの他の著書とは少し毛色が違うため、他の著書は合わないと感じた方にもぜひおすすめしたい。
 
それにしても古典から最近の本まで、ジャンルを問わず様々な本を本当によく読んでおれて驚かされる。
私も選り好みせずに本を読みたいと思った。

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