ゆるーく法律するブログ

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AI vs 教科書が読めない子どもたち

新井紀子さんの『AI vs 教科書が読めない子どもたち』を読んだ。

私はtwitterでRTされているのを見て売れていると知ったが、書店でも話題の本として取り上げられていたので、ご存じの方も多いと思う。

 

新井紀子さんは国立情報学研究所の教授、同社会共有知研究センター長を勤められている方で、「東大ロボくん」という人工知能を開発されている。

AIというと、特にオックスフォード大学の論文が発表されてから、多くの人の仕事を奪うだとか、そんなことはないとか、人工知能が人間を支配するのではないか等と話題になっていた。

 

この本の帯には「人工知能はすでにMARCH合格レベル」とあった。

MARCHに合格するということは、すごいと思う人もいればそうでもないという人もいると思うが、人口全体からすれば、AIが人間にとって脅威になり得ることは想像がつくと思う。

 

私はAIはおろか、機械一般が苦手なため、巷でAIのすごさだとか脅威が叫ばれていても、自分にどんな影響があるのかあまり認識できていなかった。

恥ずかしながら、ニュース等でAIが囲碁のプロ棋士に勝利したと聞いて、AIはものすごくかしこいのだなぁと思っていた程度である。

 

この本を読むと、AIのすごいところ、だめなところ、今の中高生の基礎学力等が見えてくる。

中高生の読解力は想像以上に低いようだが、例えば文章の一部を読み飛ばしてしまうことは誰にでもあるのであり、大人だって読解力が低い者はいくらでもいる。

中高生自身が悪いのか、親が悪いのか、教育機関が悪いのか、国が悪いのか等、問題の分析は重要であるとしても、責任を押し付けあっても仕方がない。

 

私もこの本の内容をすべて理解できたかと問われると、まったくそんなことはないと思う。

しかし、一般人にも分かりやすい文章で、実際に調査に用いられた問題等を記載して解説がなされているので、AIに興味はあるものの難しいことは分からない、という人にもおすすめである。