ゆるーく法律するブログ

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民事訴訟法判例百選(第5版)

先月発売された民訴法百選の新版について、解説を含め粗方読んだので雑感を。

 

新規収載判例計6件、収載中止判例計7件と、収載されている判例の変更はあまり多くない。新規収載判例についてはもちろん重要なものもあるが、収載中止判例の中でどうして削除されてしまったのだろうと思うものもあった(しかし、解説の中で引用することでフォローされているものもある)。

解説は一言一句変わっていないものや、旧版の解説にタイトルを付して読みやすくしただけのものも多い。また、旧版のほうが分かりやすいように思われる解説もある。

総合してみると、急いで買って読まなければならないというほどのものではないと思われる。しかし、百選自体を買ったことがない学生や、旧版を使い古して心機一転したい者は買って損はない。

3版以前のものに比べると、4版、5版の解説は格段に読みやすい内容となっており、レイアウトも適当で使い勝手がよくなっている。民訴法の基本的な判例を押さえるための教材としてはひとまず百選があればよいであろう。

なお、デザインとしては個人的には以下の旧版の表紙の方が親しみやすく感じ、失礼ながら今回の変更で最も残念な点であるように思われる。