夢をかなえる口ぐせの心理学
医学博士・農学博士の佐藤富雄さんの本だ。
帯には「お金・恋愛・人間関係・仕事…いい口ぐせを身につけるだけで人生は変わる!」と書かれており、人生が変わるというのは少々大袈裟で胡散臭い気もするが、本当に口癖だけで人生が変わるというのであれば試してみたいという気になり手に取った。
最初に口癖一つで人生が変わる理由について科学的に説明されているが、
普段使っている言葉と意識内容は、相関関係にあり、いつも連動している。ですから、肯定的な思考は肯定的な言葉を生みますし、否定的な思考は、否定的な言葉を生むのです。
というのは科学的な説明がなくとも、なんとなくそうかもしれないという内容であり、すぐに気を付けなければという意識が芽生える。章を進むにつれ、口癖を点検すること、言葉の使い方に気を付けること、自己像を変えることができることなどについて書かれ、楽天思考を薦めている。
ポジティブの押し付けは個人的には受け入れられないこともあり、苦手な節もあるが、楽天思考は自分にとっても周囲の人間にとっても素晴らしいことで、日々意識したい点である。とはいえ、忙しい日が続いたり、嫌なことが起こるとつい悪態をついてしまうこともある。そんな時、この本のことを思い返したり、読み返したりすることで少しでも意識を取り戻せたらと思う。
最も衝撃的であったのは、
自律神経系は、人称の区別がつきません。主語を解さず、すべて言葉を発した当事者のこととして読み取ります。
という部分である。
脳には無限の可能性がある、もっと活用していこう、というような話を聞くこともあるため、脳はとても賢いのだと思っていたがこんな一面もあるようだ。そのため人を褒めることは自分にとってもプラスになり、人を悪くいうことは自分にとってもマイナスになる。そうなると口癖に気を付けようと思わざるを得ず、効果的であるように思われる。
何気なく出る口癖について少し気を配ることで、少しでもよりよい人生を歩めたらと思う。