リズと青い鳥
「リズと青い鳥」を見た。
アニメ「響け!ユーフォニアム」の原作シリーズである『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章』が映画化されたものだ。
映画「聲の形」のメインスタッフにより製作された。
私はアニメ「響け!ユーフォニアム」の大ファンであり、アニメは何度も見て、劇場版も映画館で見た。
原作は残念ながら読んでいないが、今回の「リズと青い鳥」はアニメからすると、みぞれと希美のスピンオフのような内容となっており、とても楽しみにしていた。
ちなみに、私が最も好きなキャラクターは高坂麗奈であり、アニメを見ている際はみぞれや希美個人にはそれほど興味を持っていなかったが、みぞれと希美との関係でりぼんちゃんが活躍した回では何度も泣いたし、ものすごく心を動かされた。
「リズと青い鳥」の感想は一言では言い表せないが、まず、どうしてこんなにリアルな感情を描けるんだろうと思い、圧倒された。
アニメでもそうだったが、私は吹奏楽部に入ったことはないものの、よくあるスポ根アニメ(スポ根という言葉はもう死語なのかもしれない…)ではなく、生々しい人間模様が描かれていると思わせる作品で、ネットで感想を見ると、元吹奏楽部の大人たちが過去を思い出して苦しんでいたようである。
一人ひとりの登場人物がリアルで、人間関係がリアルで、どうやってこの物語を作り上げたのだろうと本当に不思議である。
感情を表現するために、映像や声や仕草、間合い、他のキャラクターとの関わりなど、すべてが緻密に計算されていると思う。
一瞬一瞬を感じる度に、本当に苦しく切なくなり、ここまで繊細に感情を描けることが怖いと感じた。
私は一見希美がリズでみぞれが青い鳥であるけれども、実際にはみぞれがリズで希美が青い鳥だったのだと読み取ったが、異なる感想を持つ方もいるらしい。
一方が他方に依存しているように見えて、実は依存関係が逆であることはよくあるが、そのような関係が実にうまく描かれていると感じた。
私は音楽には詳しくないので実のところよく分からないが、みぞれの本気のオーボエには震えてしまった。
震えているというと、すべての瞬間震えていて、見続けるのが怖かったというのもある。
ちなみに私は「聲の形」も劇場で見ているが、「聲の形」は生々しすぎて、自分のあまり嬉しくない青春時代のことを思い出し、つらくなった。
製作スタッフの力量に恐れ戦くばかりである。
見ている間も見終わった後もものすごく感情が高ぶり、1度では受け止めきれない、感じ切れないと思ったが、レビューを見ても、どれも観点が違ったり解釈が違ったりするため、ますます多くのことを考えながら見直さなければならないと思った。
まだ見ていない人は覚悟して見てほしいが、絶対に見た方がいい。